「アール・デコの邸宅美術館」展2015/07/28

昨日行った、東京都庭園美術館で、
「アール・デコの邸宅美術館」展が開催されている。

旧朝香宮邸だった建物は、鉄筋コンクリート造2階建て、
1933年(昭和8年)5月に完成した。
アールデコ様式の粋を尽くした瀟洒な内部は、
なかなか、見応えがある。

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玄関を入ると、正面に「有翼の女性像」がお出迎え。

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ホール側から見た、「有翼の女性像」。

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ホールの壁にある、レリーフ。

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白磁の「香水炉」
2011-2014年にかけ、分解され、修復された。

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「小客室」
四方の壁に、アンリ・ラパンの油絵が張り巡らされている。

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「大客室」
最もアール・デコの粋が集められた部屋で、柱はシコモール材、
天井にはシャンデリアを囲む漆喰仕上げの円や
石膏によるジグザグ模様がある。

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ルネ・ラリック作のシャンデリア

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マックス・アングランのエッチング・ガラスを
はめ込んだ扉と大理石の暖炉

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「大食堂」
隣の大客室とは、エッチング・ガラスの引き戸で仕切られる。
植物文様の壁面はイヴァン=レオン・ブランジョのデザインで、
建設当時はコンクリート製でフランスから送られてきた。
ヒビが入ったので日本で型を取り、石膏で作り直し、
銀灰色の塗装が施された。

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大きく円形を描く張り出し窓は、開放的な空間をもたらす。

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暖炉の上の壁画は、アンリ・ラパンの作で、
赤いパーゴラ(蔓棚)と泉が描かれている。

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「小食堂」
朝香宮一家の日常の食事に使用された部屋で、
和の要素が取り入れられ、天井は杉の柾板が使われている。
写真の右端に床の間がある。

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2階への階段の踊り場の飾り窓

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「姫宮寝室」の照明
ロウ石(ガラスではない)が使われ、柔らかい光で部屋を照らす。

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「姫宮居室」
サーモンピンクの大理石で制作されたマントルピースと
円形の鏡がある。
マントルピースの中は、衝撃的なピンク色で、特殊な製法による。

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「妃殿下居間」
5つの球状の照明がユニークで、
床は泰山タイルが敷き詰められている。

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「ベランダ」
床は大理石が市松模様に敷かれている。

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「妃殿下寝室」
上下に移動できる布シェード付きの照明など、
女性の部屋らしい雰囲気が溢れている。

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「第一浴室」
殿下と妃殿下の寝室の間にあり、
主に殿下が使用したと言われている。
床には山茶窯(つばきがま)製陶所製のモザイクタイル、
壁にはフランス産の大理石が左右対称の目に張られている。
浴室は、他に、姫宮用の第二浴室、若宮用の第三浴室があった。

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「殿下居間」
壁紙とカーテンは現存するものを模して2014年に復原され、
椅子とテーブルは竣工当時の家具と資料から図面を起こし、
復原されたとのこと。

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「書斎」
正方形の部屋の四隅に飾り棚を設置することで、
室内を円形に仕上げている。
机、椅子、電話台、絨毯は揃い物として、
ラパンがデザインしたと考えられている。

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「書庫」
書斎の左隣にあり、チーク材で造られている。

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「若宮居間」の照明
ステンドグラスによるペンダント照明で、
暖かみのある雰囲気を醸しだしている。
若宮居間は正面玄関の真上にあり、
車寄せの屋根をベランダにしている。

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「若宮寝室」
張り出し窓には竣工当時のサッシがそのまま残されている。

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「二階広間」
窓の下には造り付けのソファがあり、
ピアノが置かれ、宮家ご家族のくつろぎの場として使われていた。

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玄関ホールから二階に通じる、階段室

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